プードルなど、トリミング犬種を飼っている飼い主さんは、ご自宅でブラッシングしてあげている、または、ブラッシングの際、上手くとかせない、自分でいつもブラッシングしているのに、サロンへ行くと毛玉があると指摘されるという経験をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、犬の毛玉、もつれについて、お手入れの際の注意点、おすすめの道具、毛玉の原因などをトリマー目線でお応えしています。
~目次~
①毛玉、もつれとは
②毛玉、もつれの主な原因
③そのブラッシング、本当に大丈夫?
④本当はコワい、お家ブラッシング
⑤ブラッシング=コミュニケーション
⑥毛玉、もつれに対するトリマーからの提案
⑦まとめ
毛玉、もつれとは
毛玉、もつれとは、被毛と被毛がくっつき、束、塊になったり、固い玉のようになることをいいます。
毛玉がある場合、ブラシで被毛をとかした際、ブラシが引っかかったり、ブラシが通らない場合もあります。
毛玉ができると、毛玉自体が皮膚を引っ張り、痛みも伴いますし、毛玉が皮膚を覆い、蒸れたり、通気性も悪くなるため、皮膚の状態も悪化します。
さらに、毛玉のある状態で濡れてしまったり、水を含んでしまった場合、より被毛同士が絡まり合い、毛玉や皮膚の状態も悪化する可能性があります。
毛玉、もつれの主な原因
★被毛が細い
★毛の表面だけブラッシングしていて、毛の根元からほぐれていない
★ブラッシングしている際、静電気が発生している
★もつれを取らず、ご自宅でブラッシングせず、シャンプーしている
そのブラッシング、本当に大丈夫?
お家ブラッシングされている飼い主さんの多くが、間違ったブラッシングを行っている方が多いなと感じています。
愛犬のために行っていることが、実は毛玉やもつれを飼い主さん自身が作ってしまっているパターンがとても多いのです。
例えば、、
★愛犬のブラッシングの際、毛の表面だけしかブラッシングできていない
★シャンプーする際、小さなもつれを取らずに濡らしている
★シャンプー後の乾かしの際、根本からしっかり乾かせず、濡れたままの状態が続いている
など、主に以上の3つが原因で毛玉を増やしてしまっている可能性があるのです。
本当はコワい!お家ブラッシング
飼い主さんがお家で使用している道具、どのような道具でブラッシングしていますか?
代表的なものでいえば、スリッカーブラシ/ピンブラシ/ラバーブラシがありますね。
中でも、スリッカーブラシは、一般的にとても認知度も高く、サロンや動物病院でも使用されているメジャーなもの。
しかし、このスリッカーブラシ、慣れていない人が使用すると、ケガの原因や、皮膚が赤くなり、擦り傷のようになってしまう(擦過傷)原因にもなる本当はコワい道具なのです。
スリッカーブラシは、私達プロでも、専門学校に約2年通い、何頭もトリミングをしてはじめてその道具を安全に使用できるようになるもの。
道具の構造や、知識をしっかり身に着けているからこそ、犬に安全に使用できる道具の1つなのです。
ブラッシング=コミュニケーション
本来、お家ブラッシングの最大の目的は、キレイにすることではなく、あくまで、飼い主さんと愛犬のかけがえのないコミュニケーション・信頼を育む時間として、私は位置付けています。
ブラッシングをするために、愛犬を無理に押さえたり、我慢させてしまっている場合は、本来の目的とは異なります。
そんな飼い主さんにも是非使用してほしい、とても素敵でおすすめな道具をご紹介します。
「獣毛ブラシ」というブラシを聞いたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「獣毛ブラシ」といっても、毛の固さ、毛の種類、毛の脂っこさ、犬種、年齢など、それぞれの犬に合わせたいくつかのバリエーションがあります。
「獣毛ブラシ」は、スリッカーブラシとは異なり、曲がったピンは付いておらず、ブラッシングした際にも、犬に痛みはありません。
反対に、今まで「スリッカーブラシ」でのブラッシングが苦手だった犬が「獣毛ブラシ」に変えただけで、とてもうっとりするような表情を見せてくれています。
ブラシを変えるだけで、犬の様子が全く違い、気持ちよさそうにブラッシングさせてくれると、こちらも穏やかな気持ちで関わることができますね。
あなたが愛犬と一緒にブラッシング中も穏やかに過ごせますように。
「獣毛ブラシ」おすすめです♡
「獣毛ブラシ 犬」と検索するか、詳しくは親しいトリマーさん/グルーマーさんに相談してみて下さいね。
以前、こちらのブログでも、「獣毛ブラシ」について詳しく書いている記事があります。よかったら、見に行ってみて下さい。
毛玉、もつれに対するトリマーからの提案
トリマーさんから、「毛玉やもつれがありますね」と指摘された飼い主さん。
毛玉、もつれを改善する方法として、いくつかご提案させていただく方法をお伝えします。
★被毛を短くカットし、一度リセットする
あまりに毛玉や皮膚の状態がひどい場合は、一度毛をリセットする意味でも、短く刈り込む場合があります。毛がフェルト状に絡まっている場合、犬は毛玉を取る際、少なからず痛みやストレスを伴います。そのため、犬の健康のために、短くカットする場合があります。
★毛玉のできやすい耳の内側や、脇、股など、見えない部分のみ短くする
次回のトリミングまでに、毛玉のできやすい見えない部分を短くし、お家で毛玉ができるのを防ぎます。
★定期的にトリミングに来てもらう
プードルなどのトリミングが欠かせない犬種は、放っておいたり、トリミングの間隔が長い場合、毛玉ができやすくなります。そのため、その子により、おすすめするトリミングの間隔に差はありますが、1~2か月に1度のトリミングをおすすめします。
★お家ではブラッシング、シャンプーしない
お家でのお手入れが原因で毛玉になってしまう可能性のある場合は、がんばってお家でお手入れしないように指導する場合があります。間違ったお手入れをされることで、トリミングまでの間に毛玉を作ってしまったり、シャンプーを嫌がるようになる可能性があります。スムーズにトリミングしてもらうためにも、お家でのお手入れをしないように指導する場合があります。
まとめ
お家で愛犬のお手入れをされている飼い主さんは、本当に尊敬します。
しかし、そのお手入れ、本当に愛犬にとっても嬉しいものになっていますか?
毛玉、もつれは、犬種によって個体差はあるものの、ほとんどの原因は、間違ったブラッシング、シャンプーが原因となっています。
本来、お家ブラッシングの目的は、飼い主さんと愛犬のコミュニケーションを図るものです。
正しい道具を選び、トリマーとも協力し、愛犬に正しいケアをしてあげましょう。